No.137 (「戦間期のイタリアとファシズム」)  : 

「ファシスト=イタリアはどのように成立したか?」

伊のブルジョワ・地主や軍部や王は、自国の社会主義化を恐れたためムッソ
リーニの率いるファシスト党のファシズムを支持した。ムッソリーニは政権
獲得のため、22年にクーデタである「ローマ進軍」(王の支持あり)を行っ
て組閣した。また、26年には一党独裁を開始し、29年には教皇(1870年以来、
イタリア王国と対立していた)とラテラン条約を結んで和解し、今のヴァチ
カン市国が成立した。このように、イタリアのファシズムは、教皇も含めた
反社会主義勢力に支えられていた。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

我が国にとって三国同盟のパートナーであったイタリアに始まるファシズム
体制について、大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

民主主義の「鬼子」であるファシズムが、社会不安や国家主義としてのナシ
ョナリズムの高まりを背景に、いついかなる国で成立しても不思議ではない
ことについて、主体的に考察している。

資料活用の技能・表現:
指導者原理に関するムッソリーニの言葉を読んで、「民衆に主権者としての
幻想を抱かせる政治」と定義された民主主義の致命的な弱点を把握するとと
もに、その克服のための手段や自分自身の心掛けについて考察している。

知識・理解:
ムッソリーニやファシスト党を支持したのは、社会主義勢力の台頭を恐れた
ブルジョワ・地主、軍部や王、加えてローマ教皇であったことと、その意味
について基本的な知識を身につけている。